品川は僕らのホーム!3x3プロバスケチーム“品川CC WILDCATS.EXE”選手らと語らった黒カレーの夜【kitchen Bee/北品川】
京急北品川駅の付近一帯は、かつては東海道五十三次の第一宿“品川宿”の入り口でした。その道しるべとしての “東海道八ツ山口石碑”から目と鼻の先にあるこちらの店舗が、今回の舞台“kitchen Bee”です。
この外観に見覚えのあるShinagawa Peopleも多いのではないでしょうか。この立地は、2022年6月に本サイトで紹介した“煮込屋赤ねこ”が所在した場所。立ち飲み屋を営業していた赤ねこが2022年8月に移転し、その後すぐ入れ替わるようにオープンしたのがkitchen Beeなのです。
一枚板のカウンターやずらりとお酒が並ぶ棚は赤ねこ時代のまま。それもそのはず、kitchen Beeと赤ねこは兄弟店舗だからです。新たに設置されたカウンターチェアや装飾の効果で、赤ねことは異なる角度での居心地の良さを感じられる空間に生まれ変わっています。
看板メニューは、“熟成とんかつ”と“ベジミート黒カレー”。店主の小島実千代さん・愛いりさん親子がつくる手料理の味は、赤ねこ時代からの常連客にも好評なのだそうです。
そんなkitchen Beeでお迎えするゲストは、品川・港南エリアを本拠地とする3人制プロバスケットボールチーム“品川CC WILDCATS.EXE(以下、WILDCATS)”の選手たち。
WILDCATSって、どんなチーム?
インタビューが行われたのは金曜の夜。それぞれの仕事が終わり次第、店に集合してくれるとの事。先に到着していたのは、加藤さん(写真左)と伊藤さん(写真右)です。
大先輩の到着前ではありますが、せっかくの“華金”ですので “カールスバーグ生ビール”で一足お先に乾杯!
加藤さん:うま! さすが金曜のビールですね。一週間が終わったのが身体に染みわたりますね。
伊藤さん:カールスバーグはすごく飲みやすいから、これからの暑くなる時期には最適ですね!
成瀬さん:こんばんは!2人ともお疲れ!
1回目の乾杯が終わるや否や、成瀬さんも到着しました。
伊藤さん:成瀬さん! 仕事もあるのによく来られましたね。
加藤さん:すみません! 生3つください!
先行していたお2人のグラスは既に空いていました。さすが金曜の夜。ペースは速そうです。
主役の3人が揃い、改めて乾杯! 店内が和気藹々となってきたところで、“WILDCATS”の基礎情報を。
チームの正式名称は、“品川CC WILDCATS.EXE”。品川港南を本拠地とした総合スポーツ・文化団体“品川カルチャークラブ(品川CC)”の一部門として2019年に発足した3人制プロバスケットボールチームです。
WILDCATSがプレーするのは、“3x3”(スリーエックススリー)と呼ばれる3人制バスケの競技種目。2020年東京オリンピックで初めて正式種目となり、2024年パリオリンピックでの開催も決定しています。
“プロチーム所属”というと少し遠い世界の人のように感じますが、平日は会社員として働くメンバーも多く、親近感が持てるのもWILDCATSの魅力。Re-FRESHでは1年前にもWILDCATSの佐藤さん・出羽さんにお話を伺っていますが、2023年シーズンが始まるという事で改めて今年の意気込みを伺います。
加藤さん:僕は大学3年生の時にWILDCATSに加入し、その後就職をして今は社会人2年目です。自分が社会人になって初めて、仕事後に練習を行っていた先輩たちの凄さを実感しました。練習に来るために体力面も仕事面も調整する必要がある中で「先輩方は普段からしっかり自己管理を行っていたのだな」と、見直しました。
伊藤さん:僕は、昨年のシーズン後に当時所属していたチームを退団することが決まり、その際に成瀬さんに「一緒にやりたい」と声を掛けてもらい今シーズンからWILDCATSに加入しました。同時期に他チームからも声が掛かっていましたが、品川CCの掲げる“仕事も競技も全力”という方向性に共感したのと、このチームなら日本一を目指せると思った事が決め手になり、入団を決めました。
成瀬さん:僕は、以前は“SOMECITY”(サムシティ)という3on3のストリートバスケリーグでプレーしていました。SOMECITYでのチームメイトが先に参加していた事がきっかけで僕もWILDCATSに加入しました。最初はWILDCATSというチームよりも3x3という競技自体への興味が強かったのですが、今ではこのチームが僕に「3x3を頑張りたい」と思わせてくれていると感じています。
WILDCATSの良いところは、“人”ですね。メンバーもスタッフも、目標に対して「一緒に頑張っていこう」というモチベーションがとても高い。僕はそこが大好きです。
伊藤さん:そうですね。レベルが高いチームだというのは加入前から知っていましたし、今もそう思っています。でもそれ以上に選手同士の関係の良さも魅力です。
WILDCATSのメンバーは、試合に出場しなくても会場へ応援に来たり、練習がない日もグループチャットで意見を交わしたりしています。今まで僕が所属したチームでは経験がないことでした。僕のような新加入の選手の経験や意見も取り入れる雰囲気もあり、すぐにチームになじむことができました。
加藤さん:プレー以外でも飲み会を開催したりして、めちゃくちゃに盛り上がりますしね。間違いなく、普段からの仲の良さがコミュニケーションを活発にしていて、チームの強さに繋がっています。
ホームタウン・品川の“架け橋”として
2021年4月、チームの母体である品川CCはクラブコンセプトをリニューアルしました。コンセプトは“BRIDGES”。「クラブチームが架け橋となり、様々なものを繋げて新たな価値をつくり、地域に貢献しよう」というメッセージが込められています。
チーム発足から4年目の2022年には、品川CC運営のスポーツ施設“SHINAGAWA CULTURE BASE”が天王洲エリアにオープン。同所でのチーム練習やイベント、品川インターシティでのホームゲーム開催などを経て、地域に根を張るための環境は整ったと言えます。
そして5年目の今年。WILDCATSはホームタウン・品川にどのように関わり、何を繋げていこうと考えているのでしょうか。
成瀬さん:“BRIDGES”というクラブコンセプトの下で、街と人、スポーツとビジネスなど、様々な人・物・事を繋げることを目標にしています。地域貢献はとても重要で、大変なことでもありますが、天王洲に自分たちの拠点ができて品川に来ることも各段に増えたので、今年はさらに力を入れたいです。
加藤さん:昨年は、SHINAGAWA CULTURE BASEでWILDCATSの選手と小学生が交流するバスケットボールクリニックを開催しました。その結果、確実にチームの認知度が上がったと感じています。試合の応援に来てくれる地元の小学生も増えています。
加藤さん:実は僕自身、中学生の頃に当時大学生だった伊藤さんのプレーを見たことがあり、とても憧れていました。今度はその立場に自分がなりたいと思っています。実際に、クリニックに僕の出身ミニバスのメンバーが参加してくれた時は、とても嬉しかったです。
伊藤さん:3x3はストリートバスケから生まれた競技なので、体育館のスタンド席から遠くの選手を眺める5人制のバスケと違い、プレーしている選手と観客の距離がとても近いのが特徴です。だからこそ、ファンとの近い距離感を大切にしたいです。僕たち選手が、子どもたちから見て“身近なヒーロー”のような存在になれたら嬉しいですし、大人の方に対しては、僕たちが普段みなさんと同じように仕事をして、その上でバスケットも頑張っている姿を見てもらって、勇気づけられたらと思います。
愛あふれるトークにより現場の空気が十分に温まった頃、カウンターには熱々の鉄板お肉メニューが到着! “太陽の恵み!ゴーヤチャンプル”(税込825円)と、“特製ソーセージ盛り合わせ”(税込935円)です。
“食べて元気に健康に”がコンセプトのkitchen Beeのメニューは、お肉料理にも野菜がしっかりと使われていながらリーズナブル。「お酒を楽しみつつも、できるだけ身体づくりを意識した食事をしたい!」というワガママにも応えてくれそうです。
2023シーズンは変化の年? 日本一になるために・・・
伊藤さん:おすすめのカレー、ください! 大盛りで!トッピングはどうする? チーズ、目玉焼き、豚串カツ、ハムカツ、からあげ……もうフルトッピングにしますか!
看板娘アイリさん:全部載せで注文いただくのは初めてですけど、大丈夫ですよ(笑)。
加藤さん:じゃあ、ごはん大盛りのトッピング全部載せを3つください!
ここまでもかなりのメニューを完食しているにも関わらず、さすがの許容量!
食事をエネルギーに変えて彼らが挑む公式リーグ“3x3.EXE PREMIER 2023”がいよいよ5月20日に開幕しました。WILDCATSも参戦する6月3日(土)の第2ラウンドは、品川インターシティでのホームゲーム。EASTERN Conference所属の12チームによる熱戦が繰り広げられる予定です。
加藤さん:個人目標は、“飛躍の1年”。少しでも多く試合に出て、活躍したいです。チームとしては、「誰が出ても強いチーム」と言われるくらい選手層を厚くしてチーム力を磨きたいです。
伊藤さん:僕の目標は、まずチームとしては、日本一になって国際大会でも勝つことですね。個人としては、日本で最も会場を沸かせられる選手になることと、仕事もバスケットも両方全力でやること。
成瀬さん:今後の展望ですか……今後、品川地域のみなさんに応援していただくためには実績が伴わないといけませんし、そのためには“誰が出ても結果が出るチーム”になることは必要ですよね。しかし、結果というのは、選手個々人の意識だけで簡単に変えられるものではありません。だから僕はWILDCATSを“結果を出せるチーム”に変化させていくという目標を持って、「自分はチームにどのような影響を与えられるか」を考えてチャレンジしていきたいです。“自分のホームタウンに日本一のチームがいる”となれば、品川の地域のみなさんも喜んでくれると思うので、地域の象徴として誇れるチームになれるように、頑張っていきます!
インタビューが終わるぴったりのタイミングで、今夜最後の注文“大豆ミート黒カレー+ごはん大盛り+トッピング全部載せ”(合計で税込2,090円)ができあがりました。
ずっしりと重たいお皿を受け取り、そのボリューム感に驚く3人。黒カレーのスパイシーな香りに食欲を刺激されて、飲食後のしめにはぴったり。ちなみに、このボリュームでも選手たちはしっかり完食しました。
華金の夜、同僚と一緒に立ち寄った居酒屋で、ビール片手に仕事や組織のことを語り合う。今回、WILDCATSの3人が見せてくれたのは、日本の一般的な会社員と変わりない等身大の姿でした。
彼らがコートの上で華麗なプレーを魅せるプロバスケットプレーヤーだとは、一見わからないかもしれません。この記事を読んで、WILDCATSや3x3という競技に興味を持ったあなたは、ぜひ、6月3日(土)に品川インターシティ屋外広場会場へ足を運んでみてください。そして、会社員からバスケットプレーヤーへと、スーパーマンのごとく変身してプレーする彼らの姿を、ご自身の目で確かめてください。
それでは、次回の記事もお楽しみに。
【店舗情報】kitchen Bee
住所|東京都品川区北品川1丁目3-20
TEL|03-5460-1200
Instagram|https://www.instagram.com/boobase_family/
MAP|https://goo.gl/maps/abvfVDYLacpZCgeD9