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子どもとともに、生きたまちを残していこう【品川から子どもたちへ クロモン子ども食堂編~後編~】

品川にいるひとりの大人として、一企業として、地域の子どもたちのためにできることをご提案するシリーズ「品川から子どもたちへ」。

第2弾では北品川の食堂「クロモンカフェ」のオーナーで、「クロモンこども食堂」を運営する薄葉聖子さんと一緒に考えていきます。

前編では「クロモンこども食堂」のお話から、子どもたちの見守りや居場所づくりについてお話を伺いました。

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子どもだってサードプレイスが必要だ【品川から子どもたちへ クロモン子ども食堂編~前編~】

後編では舞台を北品川から港南に移して、この街で出来ることを考えていきます。

今回取材を担当したRe-FRESH編集部員との対談形式でお届けします!


「子どものために」が大人の自己満にならないように

編集部:
薄葉さんのお話を聞いて、今めちゃくちゃ感動してます…!何かしなきゃという使命感に駆られています。

薄葉さん:
そんな!(笑)
でも、私も自分にできることをやっているだけというような意識です。

編集部:
今回は品川港南で働く大人や企業が地域の子どもたちのために何かできることはないか、ということをテーマに考えているんです。品川は働きに来るだけの街だと思って過ごしている人もいるので、難しいとは思うのですが・・・。

薄葉さん:
港南といえば、クロモンではJR品川駅にある商業施設のアトレ品川様、FOOD&TIME ISETAN様からこども食堂のための食材を提供していただいています。もう4年になるでしょうか。

編集部:
おお、すでに港南の施設とのつながりがあったんですね!

薄葉さん:
担当の方とは、最初に「協力したいのですが、何をしたら子どもたちのためになるでしょう」と何度も意見交換を繰り返しました。

こども食堂の場合、運営のお手伝いのボランティアをさせてほしいという方もいます。でも数回お手伝いに来てもらうだけだと、こちらの手間が増えるだけになってしまうのが正直なところで・・・。

編集部:
そうですよね、お手伝いをする側としてもご迷惑をかけてしまうのは不本意です。

薄葉さん:
子どものために何かしようと思った時、「大人の自己満足にはなっちゃいけない」というのはいつも思っています。子どものために何かするなら、まず子ども中心に考えたいなと。


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こども食堂には企業からも様々な食材が寄付として集まっています
(出典:クロモンこども食堂Facebookページ


「やっちゃだめ」を解禁してみる、とか?

編集部:
先日、港南の子どもたちが楽しむ「シナハロ」というイベントについての取材をしていて港南のお母さんたちとお話をしてきたのですが、「港南は何にもない」という悩みがあるみたいなんですよね。

薄葉さん:
何もない空き地だったところが近年ビル街に変わった街ですからね。何ができるかな・・・。例えば、子どもたちとビルのガラスに思いっきり落書きしてみるとか!

編集部:
ビルに落書きですか!港南っぽいですね。

薄葉さん:
ビルの窓に落書きをしたって、最後に掃除すればいいんですから大丈夫でしょう。

ここ最近、北品川では「道遊び」が注目されています。道路を通行止めにして、道にチョークで落書きをしたり、毛氈を敷いて寝ころべるようにしたりするんです。

(出典:NPO法人ふれあいの家おばちゃんちHP

普段は「やっちゃだめ」と言われるような制約を開放すると、子どもたちってすごくテンション上がるんですよね。

編集部:
確かに、子どもだけでなく大人でもテンション上がりそうです!


まずは「子どもの姿を見せる」ことから始めてみる。

編集部:
港南の地域の課題のひとつに、働いている大人たちが地元の子どもたちの姿を見ることがほとんどないというのもあります。そもそも見守るべき子どもが暮らすエリアとは離れてしまってますよね。

薄葉さん:
でも、港南を地元として育っていく子どもたちがいるんだというのが事実ですよね?大人にとっては通ってきて居酒屋で飲んで終電で帰るまちだけど、ここを地元として育つ子どもがいる。

編集部:
そう、それを知ってほしいんです!

薄葉さん:
子どもが港南口で何かやっているというだけでものすごく目を引くと思いますよ。子どもが駅前でごみ拾いをするとか、エスカレーターを延々と上り下りしてみるとか。「ここはぼくらの地元です」というアピールを大人たちにしてみるんです。

編集部:
すごく面白そうです!

薄葉さん:
港南の子どもたちが駅前を遊び場にして楽しんでいる姿って、私自身も興味があります。


心が通った「生きたまち」を受け継ぐ

薄葉さん:
私が北品川でお店を始めてから、「まちは生ものなんだな」ということを感じるようになりました。

編集部:
生もの、というのは?

薄葉さん:
生きたまち、つまり「人のつながりが生きたまちでないと、次の世代には受け継いでいけない」ということです。

この辺りは、江戸時代から脈々と続く宿場町です。人の入れ替わりはあるけれど、地域の人とのつながりを大切にする先人の心が受け継がれているんだなと感じています。

港南にはたくさんのビルが立ち、開発が進んでいます。そんな中でも、人のつながりは生まれていると思います。たくさんの子どもが育ち、暮らしが営まれている。人のつながりが生き続けるまちであって欲しいですね。

編集部:
そうですよね・・・。
大切なことですが、前途多難かもしれません。

薄葉さん:
それでも、港南でもシナハロのような取り組みがあるんですよね?地域の中にいろんな動きの点があると、繋がって線になって、いつか面になっていきます。

自分で全部やろうとせずに、一人ひとりができることをやっていけばいいと思います。

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シナハロで港南を闊歩する子どもたち


地域の子どもたちと、心の通う生きた街をつくる

あなたが働く港南の5年後、10年後、もっと先の未来はどんな姿になっていると思いますか?その港南は、ちゃんと「生きて」いるでしょうか?

この街で生まれ育つ子どもたちにとって自慢のふるさとになるように、見守ってくれる大人がたくさんいる街、大人と一緒にワクワクできる街になっていけばいいなと思いました。

これからも、シリーズ「品川から子どもたちへ」では、地域の子どもたちのために品川で働く大人や企業にできることを考えていきます!

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クロモンカフェから地域の子どもたちを見守る「黄色いテルテル坊主」


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