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“空間”が豊かさの鍵!“まちづくり専門家集団”RIA社員とギャップを味わう陽気なカフェ飲み【GOOD MORNING CAFE 品川シーズンテラス/港南】

広大な緑地を併設する“品川シーズンテラス”はShinagawa Peopleの憩いの場として愛されている品川の象徴的なスポット。平日はオフィスワーカーで賑わうこの場所も、休日にはゆったりとくつろげる雰囲気に様変わり。低層階の店舗区画には家族連れやカップルが集い、時には緑地で開催されるヨガや映画上映などのイベントも楽しめます。

今回の舞台は、品川シーズンテラス2階レストランフロアに所在する“GOOD MORNING CAFE 品川シーズンテラス”。貸し切りのパーティーも可能なので、会社の懇親会等で利用したことのあるShinagawa peopleもいらっしゃるのではないでしょうか。

緑地に面した2面ガラス張りの店内は開放感抜群。昼は木々の緑を、夜は都会らしい夜景を眺めながらハンバーガーやピザ、パスタ、スイーツを堪能でき、屋外テラスを活かした“BBQ PLAN”や“PICNIC PLAN”も人気です。

(左上)BBQ PLAN の飲み放題ドリンクはフードトラックで提供。
フェス感があって楽しそう!
(左下&右)夜になるとライトアップされた東京タワーが見えるGOOD MORNING CAFE。
店内からも見える席があります(予約がおすすめ)。

今回”GOOD MORNING CAFE”にお招きしたのは、 品川にオフィスを構える“株式会社アール・アイ・エー”(以下、RIA)3名の社員。2023年で創業70周年を迎えるRIAは、日本の都市再開発を牽引し続けてきたトップランナー。品川地区では天王洲アイルの再開発に企画構想段階から関わっていることでも知られています。

そんな歴史ある企業に勤めるゲストたち。普段はどのような仕事をし、どのような視点で品川のまちを見ているのでしょうか。

RIAってどんな会社?


RIAの社名は、“RESEARCH INSTITUTE OF ARCHITECTURE”の略。ルーツは創業者の山口文象(近代日本建築運動を起こした建築家)が、新進気鋭の若手建築家を集めて1953年に立ち上げた共同設計組織“RIA建築綜合研究所”に遡り、現在では日本の建築設計や都市計画を語る上で欠かすことのできない存在となっています。

何気なくクオリティの高い人々が街中で飲み歩いているのも品川の大きな魅力。まずはRIAでの業務内容をお聞きしていきましょう。

浅川さん:私たちの仕事は再開発事業を始めとしたまちづくりのプランニングとコーディネートです。プランニングは、どんな街を創るのかという夢を描いて形にしていく仕事。コーディネートは、それを実現するために土地の権利者や行政、ディベロッパーなどの関係者の間に入って調整をする仕事です。
私自身、大学時は「建物を作りたい」と考えて建築を学び始めましたが、授業を受けているうちに「素材などディテールまで扱う”建築設計”」よりも「大きな枠組みで複数のステークホルダーと共に街全体を考える”まちづくり”」に興味が湧いてきて、RIAへの就職を決めました。
多くの方との調整が必要なので、大変なことはたくさんありますが、非常にやりがいのある仕事だと感じています。
 
辰巳さん:RIAの開発案件の代表例は、天王洲エリアのまちづくり計画です。エリア全体の地権者と調整を行いながら地区全体のまちづくり計画を作成し、建物の建築設計も並行して行うような大規模な開発プロジェクトは天王洲が初めての取り組みでした。

入社20年目の辰巳さん(左)と3年目の浅川さん(右)。
インタビュー中もフラットに意見交換する様子に、RIAの風通しの良い社風を感じました。

料理右:ピクルス(税込800円)
料理左:“海老と季節野菜、アップルマンゴーのコブサラダ”(税込1,100円)

辰巳さん:天王洲の街は一通り開発が終わりハード面では大部分が整備済みとなりましたが、現在は天王洲のエリアマネジメントのソフト的な取組みへの支援も行っています。

これまでのまちづくりは、どちらかというとハード作りが主だったのですが、今後はソフト面での仕組み作りも重要だと考えています。拠点を置く品川エリアでも、昨年9月に品川シーズンテラスでRIA有志メンバーを集めて“品川こうなん一箱古本市”を企画・実施しました。1日本屋の店主を品川港南エリアのワーカーやお住まいの方から募集することで、店主同士の交流を通じた会社を越えた接点をつくるとともに訪れるお客さんとのコミュニケーションが生まれることを狙いとしており、まちづくりのコンサルタントとしてこれまでなかった地域の関係性をつくることに貢献したいと考えました。実際にプレーヤーとして港南のまちづくりに関わってみるとさまざまな気付きがあり、興味深かったです。

品川こうなん一箱古本市の様子。
当日のレポートはRIAの公式サイトで公開されています。

ちなみにGOOD MORNING CAFEとの出会いもその古本市でした。イベント時にビールを飲みながら店長さんとお話しをして以来、お店に来る度に「どうも!」と挨拶し合う関係になりました。

都市計画の視点で見る港南の“まち”


GOOD MORNING CAFEのディナータイムは、旬の野菜を使用した日替わりメニューに要注目。
この日のおすすめ“インカのめざめと初夏オクラのトマトソース 温卵と生ハムをのせて”
(小:税込1,480円、大:税込1,800円)は、栗のように甘いジャガイモが意外性をもたらす一品。
韓国風の“旨辛チキン”(税込880円)と交互に食べれば、もうフォークが止まらない!

まちづくりのプロから見て、現在の港南エリアはどのように映っているのでしょうか。

キーワードは“余白”。街の中に何気なく存在する“空地(くうち)”に着目することで、新たな価値を創造できるかもしれません。

辰巳さん:空間を検討する上で重要なのは、計画を始める段階から街全体を見て、空間のつながりを予想しながら作っていくことです。
当社は品川シーズンテラスにオフィスを構えているのですが、出勤ルートを例にとると、品川駅港南口から広場を通り抜けて、コクヨのパブリックスペース“THE CAMPUS”やソニー本社ビルの前を通ることになります。その出勤ルートを、ただの歩行動線ではなく「道中でどんな驚きをデザインできるか?」「各々の場所の関係性を創ることで街を面白くできないか?」と考えるのが、“街全体を見る視点”です。

品川エリアの中で、建設時から“街全体を見る視点”を持って作られていると感じるのは、“品川インターシティ・品川グランドコモンズ”です。品川というターミナル駅の駅前好立地ど真ん中に、あれほどの豊かな緑地を展開している例は稀有ですよね。最近では日本酒の飲み比べイベントや屋外映画祭等の様々な催しが開催されていて、ただの緑地ではなく“街を楽しくする空間”として活用されつつある。このような空間活用がカルチャーにつながっていくところが、空間を扱う我々としては非常に面白いと考えています。
 
浅川さん:大規模な開発で設けられる“空地”は制度の枠組みにおいては緑化するなどの空間的なゆとりを確保するために設けられ、利活用を想定していない空間も多くありますが、これからは“空地”のように自由に使える“余白”のような公共的空間が、品川の“まち”を面白くしているのかもしれません。自然を感じられるスペースが身近にあることも品川の大きな伸びしろだと思います。
 
奧野さん:コロナ禍を経てまちづくりの方向性も変わってきたように思います。建物の中に人を長時間滞在させるのではなく、空間的にも精神的にも“密”にならないように空地を活用する流れがあると感じています。社会的なニーズとして“暮らしの豊かさ”が求められているのかと思います。
一方で、空地をそのままにしておけば維持管理のコストはあまり必要ではないのが実情です。ただこの空地を有効利用しないと、街としてはもったいない。
 
辰巳さん:コストを出来るだけかけずに空地を活用し、“まち”の魅力をどの様に引き出すか、は都市計画やまちづくりの視点としては非常に興味深い。
特に品川には、バブル期に生まれたウォーターフロントやオフィスビル群や近年のタワーマンション群がある一方で、旧東海道の宿場町や昭和時代からの飲み屋街も残っています。これほど色々な側面を持つターミナル駅は、日本中を探しても品川だけだと思います。
“空地”を街を活用する人たちの視点でデザインすることにより、品川ならではの豊かさを生み出せるのではないでしょうか。

インタビュー途中にはGOOD MORNING CAFE 品川シーズンテラスの
今國店長も一時参加してくれました。
お店の魅力を聞くと「とにかくスタッフが元気!」と即答。
メニューに関してはシェフに全幅の信頼を寄せているとのこと。

「店長と食事しながら会話できる日が来るとは、
2021年のシーズンテラス入居時には思ってもみなかった」と辰巳さん。

品川キッズ・ファミリーテラス2023で“空間デザイン”体験をしませんか?


奥野さんが描いた“こども空間デザイン学校”実施イメージ図

まちづくりに対する熱いトークが繰り広げられている中で、都市計画の仕事に興味がある方に耳寄りなイベント情報のお知らせです。

【イベント情報】品川キッズ・ファミリーテラス2023
日程:2023年7月8日(土)・9日(日)
※RIAが企画・運営に携わる“こども空間デザイン学校”は7月2日(日)に開催

場所:品川シーズンテラス イベント広場(入場無料)

概要:外で思いっきり遊んで創造力や五感を刺激!様々な遊具や遊び、ワークショップを通じて、子どもの成長を育みます。身体や頭を使って遊ぶチカラを身に着けよう!

このイベントの一コンテンツとして、浅川さんたちRIA社員が子どもと一緒に行う“こども空間デザイン学校”が実施されます。取材当時はコンテンツ内容を詰めている真っ最中でしたが、少し先取りをしてワークショップのテーマや見どころを教えてもらいました。

浅川さん:テーマは“過ごしたくなるみんなの場所をつくろう!”です。ワークショップ会場は、品川シーズンテラス内の“エコ広場”なのですが、現状は人が通過する場所になっています。また、広場の目の前では今後しばらく道路工事が続くため、人を迎え入れる広場としての魅力の向上が課題となっています。今回のワークショップでは、そこに“人が滞在している風景”をつくりたいという狙いがあります。

広場での様々なアクティビティを発生させるために、どういった空間づくりをするのかという視点で、実際に椅子やベンチ、芝生などのツールを組み合わせて空間を考えてもらおうと思っています。
どんな発想が出てくるか予測不能ですが、そこで生まれたアイデアはできるかぎり踏襲して社会実装していくべく努力していきたいです。

辰巳さん:どんなことが起こるのか、敢えて予想しないのも面白いよね。

京都出身の新入社員・奧野さん(右)は、
インターンシップの時にも浅川さんとバディを組んでいたのだとか!
心なしか、“ハイネケン”(税込800円)をグラスに注ぐタイミングも息ぴったりに見えてきます。

浅川さん:作り込まずに敢えて可変性を残しておく方が、より豊かな場の使い方に繋がるかもしれません。小学生にとっては難しい課題かもしれませんが。

辰巳さん:取り組む課題の難易度は、あまり関係ないよ。短期的に使えそうなアイデアを出すことも良いことかもしれないけれども、子どもたちが「自分のイメージが本当に空間になる」、そして「空間デザインで課題解決や社会貢献ができる」ということに気づいてくれることの方が、長期的に見ればよっぽど意味がある。

浅川さん:そうですね。それがあれば、次に繋がります。ワークショップはその入り口という位置づけになりそうです。

奧野さん:僕も自分にできることを探しながら、子どもたちが何を面白がるのかを見て、一緒に楽しみながら勉強したいです!

目に見える答えを探すのではなく、子どもたちの自由な発想を掻き立てるための“余白”を残しておくというのは、まちづくりの話と共通しています。「効率やわかりやすい成果だけに価値を求めないこと」がこれからの時代の豊かさの種になるのではないでしょうか?

品川シーズンテラスで親子で楽しく過ごした1日が、“未来の素敵なまちづくり”のきっかけになれば嬉しいです。その体験を、経験とチームワークを駆使してまちづくりのプロ・RIAのメンバーがサポートしてくれることでしょう。

辰巳さん、浅川さん、奧野さん、ありがとうございました!

それでは、次回の記事もお楽しみに。

【店舗情報】GOOD MORNING CAFE 品川シーズンテラス


住所|東京都港区港南1丁目2−70 品川シーズンテラス 2F
TEL|03-5715-3515
MAP|https://goo.gl/maps/5DNNZ7z416dcFjZb9
HP|https://gmc-shinagawa.com/