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人気ゲストハウススタッフが足しげく通う癒しのカフェランチ【zakka+café La capi/北品川】

品川にゆかりのあるゲストをお招きしながら、地元飲食店の魅力を伝える“Re-FRESH”。今回は、北品川のカフェ“zakka+café La capi(ラカピ)”で、“ゲストハウス品川宿”マネージャー長谷川信一郎さんにお話を聞きました。

“La capi”と“ゲストハウス品川宿”は、共に旧東海道一番目の宿場として栄えた歴史ある街・北品川に所在し、徒歩ですぐの距離にあるご近所さん。長谷川さんも“La capi”には普段からよく訪れているとのことで、リラックスした雰囲気でのインタビューとなりました。

長谷川さんの北品川への想いや、“La capi”とのコラボ商品の話題など、Shinagawa peopleにお伝えしたいローカル情報満載でお届けします。

今回の舞台“La capi”


北品川駅から旧東海道を歩き3分ほど。台場横町の案内板を曲がった小道に静かにたたずむこちらのお店が、今回の舞台“zakka+café La capi”です。

品川区育ちの江上沙蘭(さら)さんが、お父様と2人でこの店を開いたのは2005年。当時飼っていた愛犬の愛称"カピ”が店名の由来だとか。

グリーンや木製看板が飾られたエントランスから階段を上ると、店舗扉とウッドデッキのテラス、そして本日のゲスト・長谷川さんの姿もありました。

長谷川さんとは、どんな人?


“もちもちパンのハムチーズサンド”を前に幸せそうな笑顔を見せる彼が、長谷川信一郎さん。La capiから240mの場所にある“ゲストハウス品川宿”のマネージャーです。

“ゲストハウス品川宿”は、株式会社宿場JAPANが2009年から運営しているゲストハウス。リーズナブルな素泊まりの宿で、国内だけでなく海外の様々な地域からも宿泊客が訪れています。
 
長谷川さん:
ゲストハウスはホテルと違い水回りやリビングは共同で、寝室にはドミトリー(相部屋)もあるため、他の旅行客との偶発的な出会いがあるのが魅力です。宿泊料金がホテルより安く、ホテルではできない非日常体験ができるので、それを楽しみとしてゲストハウスにハマる方もいらっしゃいます。

 
長谷川さんが“ゲストハウス品川宿”に勤め始めたのは、2017年。そのきっかけは、大学卒業後の世界一周旅行でした。
 
長谷川さん:
大学時代に教育実習で社会科を教える予定だったのですが、「“教科書に出てくるマチュピチュに実際に行ったことがある先生”になれたら生徒に面白い話ができるのでは」と思い、勢いで旅に出ました。
マチュピチュに行くなら他の国にも行ってみたいと思うようになり、どんどん規模が拡大して世界一周を思いつきました。アメリカから南米を経由し、東回りの旅を始めましたが、行程の半分くらいにあたるモロッコに着いた頃には資金が少なくなってしまいました。「どうしよう……」と思っていたところに、ちょうど日本人向けゲストハウスの管理人募集を見つけ、住み込みバイトとして働き始めたのです。

モロッコには約3ヶ月滞在していたのですが、2ヶ月ほど経った際に顔見知りになった現地のお店の方が観光客価格から地元民向けの価格に変えてくれていることに気が付きました。魚屋さんも“おまけ”にもう1匹サービスしてくれるようになり……次第に僕も“地元民”になれたような感覚になりました。

「この体験は、宿泊客にとっても面白く感じてもらえるのでは?」とも感じ、僕がゲストハウスで働きたいと思うきっかけになりました。

ゲストハウス品川宿はまさにそれを実践している宿だったので、帰国後にスタッフとして働き始めました。

教えたいけど教えたくない。特別な店 


長谷川さん:
最近はカフェ併設のゲストハウスも人気ですが、僕は素泊まりのゲストハウスも魅力的だと思っています。素泊まりならゲストが自然と街へ出ていくので、飲食店の店員さんや街の人との交流を楽しむ事で、この街のファンになる可能性が広がるので。

ゲストハウス品川宿には外国人観光客も多く訪れるので、さまざまな文化圏のゲストが安心して楽しめるように、簡単な質問なら多言語対応できるコミュニケーションツールを活用したり、英語メニューがある近隣のお店をまとめたマップを作ったりしています。

おすすめの店はたくさんあるのですが、その店は僕にとっての“安住の地”でもあるので、あまり人気になりすぎるのも困りますよね(笑)。本当はこっそりと隠しておきたいけれど、お客さんに品川宿を好きになってもらうために、知ってほしい。そんなジレンマがあります。

このお店“La capi”も、そのひとつです。

ドリンクを運んできてくれた店主の江上さん(右)

“La capi”には、僕がスタッフになってすぐの頃に宿場JAPANの代表に連れてきてもらいました。その時に店主の沙蘭さんと知り合い、それからは仕事の話だけでなく、個人的な相談にものってもらっています。優しい近所のお姉さんといった感じです。

お店のメニューも自然派で、体によいものを食べたい時や胃が疲れた時に来ると癒やされますよ。このサンドイッチも、全粒粉入りのパンを使用していて健康的ですし、手作り感がいいですよね。

国産小麦粉と白神こだま酵母を使用した“もちもちパンのハムチーズサンド”(400円)

無性にお母さんが作ったご飯を食べたくなる時ってありますよね。“La capi”のサンドイッチからも、そんな“ぬくもりを感じる味”がします。

メニューブックを見ながらおすすめメニューの説明をする長谷川さん

沙蘭さんのお手製のデザートもおすすめです。シフォンケーキは季節ごとに味が変わるので、Instagramで新メニュー情報を見たらすぐに食べに来ます。

もちろん、このキャロットケーキも最高!ふわふわしっとりのケーキ。人参の甘みが活かされているのでデザートとして最適です。

“キャロットケーキ”(350円)

“La capi”には、時々お菓子の特注を受けてもらっていて、スタッフの誕生日ケーキや宿泊客に出すウェルカムクッキーなどを作っていただいています。ざっくりとした要望を伝えれば、相手が喜ぶものを沙蘭さんが丁寧に考え作ってくれるので、とても感謝しています。

店舗の垣根を越えて、新たな街の魅力をつくる


国内外からのゲストを迎えるゲストハウス品川宿。コロナ禍では宿泊客の減少など苦しい面もあった一方で、これまで培ってきた地域との繋がりを活かした新たな商品開発に挑戦する機会も得たといいます。
 
長谷川さん:
現在、宿のお土産として販売している“品川宿ギフトセット”は、“La capi”と共同で企画しました。ディップスタイルのオリジナルコーヒー“品川宿ブレンド”と、“La capi”の焼菓子の詰め合わせです。

“品川宿ギフトセット”(1500円)は、コーヒー2袋と焼菓子5袋入り

コーヒーは東品川の“NOG COFFEE ROASTERS”に提供いただいています。コーヒーが完成すると「お茶菓子も添えたい」という声が出てきたので、“La capi”に相談を持ちかけました。

江上さん:
ギフトセットのお話をいただいた時は、とても嬉しかったです。自分が作った商品が街のお土産になるのはもちろんですが、店舗の垣根を越えて一緒に街を盛り上げる企画を考えるのも、素敵だなと思いました。

長谷川さん:
それがきっかけで、宿場JAPANが運営する他の宿泊施設で提供するオリジナルウェルカムクッキーも作成頂いています。

江上さん:
それまでは単独で店を運営していたのですが、人との繋がりから新しいものが生まれるという経験は初めてでした。長谷川さんたちに声を掛けてもらえて、本当にありがたいと思っています。

「僕は街の潤滑油になりたい」


ゲストハウス品川宿では、ゲストが品川の“ローカル”に触れる体験を提供しており、独自イベントだけでなくお祭りや盆踊りといった伝統行事にゲストを案内する地域ツアーを実施しています。そこで重要になるのが、地元の方々との関わりです。

これまでも、様々な場面で、地域の方々の温かさや寛容さに助けられてきたという長谷川さん。今後は地域に対して「恩返しをしていきたい」と、想いを語ってくれました。
 
長谷川さん:
僕たちは、ただこの街に宿としての建物を持っているだけです。でも、お客さんには北品川ならではのローカルな体験を楽しんでもらいたい。だから、何をするにも街の人との関係作りが大切です。そのために僕ができるのは、地域にとっての“潤滑油”のような存在になることだと思います。

僕たちは、品川宿の文化を大切に守りながらも、旅行客も含めた地域外の人にも品川宿を楽しんでもらえるまちづくりを目指しています。様々な国の違う文化を持つ人同士がお互いに理解し合って、共存・共生するためには、間に入ってマネージする役割が必要です。

お客さんの“お困りごと”はもちろんですが、街の人たちの“お困りごと”にも応えていく事で、みんなの暮らしをハッピーにすることに貢献したい。そしてゲストハウスを作らせてもらった街に、恩返しをしていきたいです。 

* * *

宿泊客と地域住民・お店を繋ぐ“ゲストハウス品川宿”。地域に根ざしたこの宿は、遠方からの旅行客だけでなく、普段から品川のオフィスビル街で過ごしている方にも、新たな扉を開いてくれることでしょう。

非日常を体験したい時や、人との繋がりが恋しくなった時などは、ぜひ宿泊してみたり、イベントやツアーに参加したりしてみてください。

それでは次回の記事もお楽しみに。

ゲストハウス品川宿
住所|東京都品川区北品川1丁目22-16
MAP|https://maps.app.goo.gl/W5kDyiPypNWL1Wwm7
HP|https://bp-shinagawashuku.com/jp/
X|@Shukuba_Staff
Instagram|@shinagawashuku

【店舗情報】zakka+café La capi


住所|東京都品川区北品川1丁目30-4
TEL|03-3450-8234
MAP|https://maps.app.goo.gl/TXmjRqTB6FvTyfso8
HP|https://lacapi.storeinfo.jp/
Instagram|@zakkacafe_la_capi

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